酪農の長時間労働解消への取り組み(搾乳ロボ) 

日本経済新聞2017.1.10朝刊に次のような記事が掲載されていた。
記事タイトル:長時間労働、酪農でも是正 搾乳ロボなどに助成
記事本文:
 「農林水産省は2017年度から酪農業の長時間労働の是正に乗り出す。
 60億円を投じ、搾乳や給餌を自動化できるロボットの導入を助成する。
 経営規模が大きい北海道の酪農家の年間労働時間は全産業平均より1割ほど長い。労働負担を和らげて酪農業の持続性を高める。

 乳牛は朝晩2回の搾乳作業を毎日行わないと、体調悪化のリスクが高まる
 農水省は自動で搾乳できるロボットの導入費の半額を補助し、労働時間の過半を占める搾乳の作業時間を短くする
 労働時間の2割を占める給餌作業でも自動ロボットの導入を支援する

 酪農業は大規模化が進んでいる。16年の1酪農家あたりの飼育乳牛数は51頭と8年間で25%増えた。
 同時に1人あたりの労働負担も高まっており、北海道の酪農家の場合、14年度の年間労働時間は2186時間と10年間で1割も増えた。昼夜を問わない分娩など突発的な業務も多い。」(日経新聞記事2017.1.10朝刊)

[編注、コメント]

 (注)下線は編集部で加えた。
 人手の確保が容易ならざる環境下で、業種を問わず、長時間労働の是正、改善に向けた取り組みが進んでいる。



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1,348企業に対し、合計99億9,423万円の賃金不払い残業を是正指導 

平成27年度
賃金不払い残業を是正指導
(是正させた事例)


平成2016.12.27厚労省が公表
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000146857.html

その概要は以下のとおりです。

【平成27年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果】

(1) 是正企業数 1,348企業 (前年度比19企業の増) うち、1,000万円以上の割増賃金を支払ったのは、184企業

(2) 支払われた割増賃金合計額 99億9,423万円 (同42億5,153万円の減)

(3) 対象労働者数     9万2,712人 (同11万795人の減)

(4) 支払われた割増賃金の平均額は、1企業当たり741万円、労働者1人当たり11万円

(5) 1 企業での最高支払額は「1億3,739万円」 (金融業) 、次いで「1億1,368万円」(その他の事業(協同組合)) 、「9,009万円」 (電気機械器具製造業) の順


 [編注、コメント]

 当該企業の体質改善につながる指導を併せ実施することの必要性が指摘されている。



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退社から翌日出社間の「勤務間インターバル制」〜自民が推進方針 

28.12.9付日本経済新聞朝刊に
「勤務間インターバル制」関連記事!


 平成28.12.9付日本経済新聞朝刊が次のような記事を掲載している。

 記事タイトル:「勤務一定の間隔確保を、長時間労働を是正−自民特命委が中間報告案」
 記事本文:自民党の働き方改革特命委員会(委員長・茂木敏充政調会長)が月内にまとめる中間報告案が分かった。長時間労働を減らすため、退社してから翌日に出社するまで一定時間の間を設ける「インターバル規制」の導入を進めると明記した。政府の働き方改革実現会議が年度末にまとめる実行計画に反映させる考えだ。

 現行制度では、インターバル規制を実施するかどうかは企業の判断に委ねられる。中間報告案は「導入を進めるための環境を整える」と明記。中小の導入企業への助成金を創設し、労使の自主的な取り組みも後押しする。(以下略)」


 [編注、コメント]

 直ちに法改正につながる動きではないようだが、自民党の働き方改革特命委員会が、労働時間規制をめぐって有力な対策の一つとして議論になっている「勤務間・インターバル制」に関心を示し、その推進を唱えていることに興味を持った次第!。
 日経記事では、今後、「導入推進環境の整備、助成金の創設、労使の自主的な取り組みの後押し」と言ったラインの取り組みのようだが、将来的には、労働時間法規制につながる可能性もあるだろう。




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週60時間以上働く-30歳、40歳代の男性の割合が高く、20歳代は低い 

過労死等防止対策白書

 政府は2016.10.07、初の「過労死等防止対策白書」を公表しました。
 平成28年版白書は4章構成
  第1章 過労死等の現状
  第2章 過労死等防止対策推進法の制定
  第3章 過労死等の防止のための対策に関する大綱の策定
  第4章 過労死等の防止のための対策の実施状況
 「第1章 過労死等の現状」では、「労働時間や年休取得の実態 メンタルヘルスに関する現状 脳・心臓疾患の労災補償状況」等の推移動向について分析を行っています。
 ここでは、同白書の中から、1週間の就業時間が60時間以上の雇用者にかかる分析箇所を紹介します。


1週間の就業時間が60時間以上の雇用者

1 1週間の就業時間が60時間以上の雇用者の割合は、平成15、16年をピークとして概ね緩やかに減少しており 、性別、年齢層別に見ても就業者の割合は概ね減少傾向にある 。

2 性別、年齢層別には、30歳代、40歳代の男性で週60時間以上就業している者の割合が高い。

3 業種別には、①運輸業,郵便業(18.3%)、②建設業(11.5%)、③教育,学習支援業(11.2%)の順に多い 。


資料出所 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000139008.html
週60時間以上推移

(↑クリックすると拡大表示できます)(厚労省説明資料から)


[編注、コメント]

 なるほど、20歳代(20~29歳)は残業をしたがらないし、実際、「しない」ということがよく分かる前記グラフだ。
 平均的には、そうでも、突出層は存在するのだろうが、、、、、



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「勤務間インターバル制の導入で、助成金支給」の記事! 

休息時間

2016.5.4日本経済新聞朝刊トップに要旨、次のような記事が掲載されていました。

○ 勤務間インターバル制(退社してから翌日に出社するまでに一定時間を空ける制度)を導入した企業に助成金支給
○ 就業規則へ明記を条件に!
○ 記事はその他に、1993年EU労働時間指令のうち、勤務間インターバル制(休息時間)、週の労働時間48時間上限などの内容を紹介している。


1993年EU労働時間指令の主な内容

1 勤務間インターバル制
  24時間につき最低連続11時間の休息時間を設ける。
  (翌日勤務開始までの間に、11時間をおく。)
  (これは、1日拘束時間の上限という意味では13時間となる。)

2 休日
  7日毎に最低連続24時間の休息時間プラス上の11時間の休息時間(24+11=35時間の休息時間)を確保する。
  なお、算定基礎期間は最高14日とされているから、2週間単位の変形休日は許容される。

3 週の労働時間
  4カ月平均で1週に、時間外労働を含め48時間以上働かせてはならない。
  
  ※ 加盟国は次の要件を充たせば週48時間労働の規定を適用しないことができるとされている。具体的には、
  ① 使用者は、あらかじめ労働者の同意を得ている場合にのみ、4カ月平均週48時間を越えて労働させることができる。
  ② 労働者が(i)の同意をしないことを理由にして不利益取り扱いをしてはならない。
  ③ 使用者は48時間を越える全労働者の記録を保存しなければならない。


※ 以上は、濱口桂一郎氏による「勤務間インターバル規制の意義と課題」(『東京都社会保険労務士会会報』2014年11月号) http://hamachan.on.coocan.jp/tokyosr1411.html を参照させて頂きました。



 [編注、コメント]
 
 日経新聞の記事は、上記に紹介したEU労働時間指令の「1」について、就業規則に明記することを条件に助成金を支給するというものだ。

 労働時間に対する最も本質的で、まっとうな規制である上記「1」「2」「3」の法制化が検討される環境が醸成されていくことを期待したい。 長時間労働から得られるものは少なく、弊害は甚だ大きい。



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