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公務員65歳定年延長をめぐる動き 

2019.1.9日本経済新聞朝刊に次の記事

記事タイトル:公務員、60歳から給与7割 賃金カーブ抑制 定年延長法案、民間に波及期待

記事本文:(引用)「・・・民間の雇用延長は大企業の場合、退職後に再雇用する継続雇用型が一般的だ。労働政策研究・研修機構の15年の調査(約6200社)によると、60歳直前(定年前)の賃金を100とした場合の61歳時点の賃金は、1000人以上の大企業で「6割未満」が25.8%を占めた。・・・・政府は60歳未満の給与水準の抑制に加え、60歳以上の職員が短時間勤務を選べる制度もあわせて導入する。個人の体力や事情に合わせた多様な働き方を可能にする。一方、65歳まで働ける現行の再任用制度は原則廃止する。定年の段階的な引き上げ期間中は存続させ、65歳への延長が完了した時点で廃止する方針だ。
 60歳に達すると原則として管理職から外す「管理監督職勤務上限年齢(仮称)」の制度をつくる。専門性が高く後任を見つけにくいポストなどに限って留任を認める例外規定も設ける。例外として認められれば、60歳に達しても給与を7割に減らす対象には含めない。
定年引き上げの開始時期やペースは、21年度の61歳から2年に1歳ずつ引き上げる案を軸に検討する。29年度に65歳への延長が完了する。政府・与党内には3年に1歳ずつ上げる案もあり、与党などの意見を踏まえて最終決定する。・・・」(2019.1.9日本経済新聞朝刊記事から引用)


【編注、コメント】

厚生労働省の17年調査によると、民間企業の定年が65歳の企業の割合は2割弱。
公務員先導で65歳定年制の定着をはかる狙いがある。2018年8月10日に平成30年人事院勧告とあわせて、人事院が国会と内閣に対して「定年を段階的に65歳に引き上げるための国家公務員法等の改正についての意見の申出」を行っていますが、本記事も基本的には、当該意見申し出の内容に沿ったもの。
http://www.jinji.go.jp/iken/moushide.html



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70歳雇用へ数値目標を含む企業の計画作成義務づけへ 

70歳雇用へ
数値目標を含む企業の計画作成


 2018.11.26開催「経済財政諮問会議・未来投資会議・まち・ひと・しごと創生会議・規制改革推進会議 合同会議」
での議論された
 「経済政策の方向性に関する中間整理」
 http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2018/1126_1/shiryo_01.pdf

以下は、この文書からの抜粋紹介である。

2.全世代型社会保障への改革

 全世代型社会保障への改革は安倍内閣の最大のチャレンジである。
 生涯現役社会の実現に向けて、意欲ある高齢者の皆さんに働く場を準備するため、65歳以上への継続雇用年齢の引上げに向けた検討を来夏に向けて継続する。この際、個人の希望や実情に応じた多様な就業機会の提供に留意する。
 あわせて、新卒一括採用の見直しや中途採用の拡大、労働移動の円滑化といった雇用制度の改革について検討を行う。
 健康・医療の分野では、まず、人生100年健康年齢に向けて、寿命と健康寿命の差をできるだけ縮めるため、糖尿病・高齢者虚弱・認知症の予防に取り組み、自治体などの保険者が予防施策を進めるインセンティブ措置の強化を検討する。

①65歳以上への継続雇用年齢の引上げ
(働く意欲ある高齢者への対応)
・人生100年時代を迎え、働く意欲がある高齢者がその能力を十分に発揮できるよう、高齢者の活躍の場を整備することが必要である。
高齢者の雇用・就業機会を確保していくには、希望する高齢者について70歳までの就業機会の確保を図りつつ、65歳までと異なり、それぞれの高齢者の希望・特性に応じた活躍のため、とりうる選択肢を広げる必要がある。このため、多様な選択肢を許容し、選択ができるような仕組みを検討する

(法制化の方向性)
・70歳までの就業機会の確保を円滑に進めるには、法制度の整備についても、ステップ・バイ・ステップとし、まずは、一定のルールの下で各社の自由度がある法制を検討する。
・その上で、各社に対して、個々の従業員の特性等に応じて、多様な選択肢のいずれかを求める方向で検討する。
・その際、65歳までの現行法制度は、混乱が生じないよう、改正を検討しないこととする

(年金制度との関係)
・70歳までの就業機会の確保にかかわらず、年金支給開始年齢の引上げは行うべきでない。他方、人生100年時代に向かう中で、年金受給開始の時期を自分で選択できる範囲は拡大を検討する。

(今後の進め方)
・来夏に決定予定の実行計画において具体的制度化の方針を決定した上で、労働政策審議会の審議を経て、早急に法律案を提出する方向で検討する。

(環境整備)
・地方自治体を中心とした就労促進の取組やシルバー人材センターの機能強化、求人先とのマッチング機能の強化、キャリア形成支援・リカレント教育の推進、高齢者の安全・健康の確保など、高齢者が活躍の場を見出せ、働きやすい環境を整備する。

②中途採用拡大・新卒一括採用の見直し
・人生100年時代を踏まえ、意欲がある人、誰もがその能力を十分に発揮できるよう、雇用制度改革を進めることが必要であるが、特に大企業に伝統的に残る新卒一括採用中心の採用制度の見直しを図るとともに、通年採用による中途採用の拡大を図る必要がある。
・このため、企業側においては、評価・報酬制度の見直しに取り組む必要がある。政府としては、再チャレンジの機会を拡大するため、個々の大企業に対し、中途採用比率の情報公開を求め、その具体的対応を検討する。
・他方、上場企業を中心にリーディング企業を集めた中途採用経験者採用協議会を活用し、雇用慣行の変革に向けた運動を展開する。
・また、就職氷河期世代の非正規労働者に対する就職支援・職業的自立促進の取組を強化する。



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公務員65歳定年の導入と60歳以降の給与水準を7割程度とする方針(申出・人事院) 

公務員65歳定年の導入と
60歳以降の給与水準を7割程度とする方針
(申出・人事院)
2018.8.10


人事院申出のポイントは以下のようになっています。
なお、詳細は、 http://www.jinji.go.jp/iken/30mousidehonbun.pdf から直接確認してください。
65歳定年人事院申出

定年制度の見直し
1 一定の準備期間を確保しつつ定年を段階的に65歳に引き上げる。

役職定年制の導入
1 新陳代謝を確保し組織活力を維持するため、当分の間、60歳の役職定年制を導入する。
2 管理監督職員は、60歳に達した日後における最初の4月1日までに他の官職に降任又は転任(任用換)
3 任用換により公務の運営に著しい支障が生ずる場合には、例外的に、引き続き役職定年対象官職に留まることまたは他の役職定年対象官職に任用することを可能とする制度を設定する。

定年前の再任用短時間勤務制の導入
1 60歳以降の職員の多様な働き方を可能とするため、希望に基づき短時間勤務を可能とする制度を導入する。

60歳を超える職員の給与
1 民間の状況を踏まえ、60歳を超える職員の年間給与について、60歳前の7割水準に設定する。なお、役職定年により任用換された職員の年間給与は任用換前の5割から6割程度となる場合がある。
2 具体的には、60歳を超える職員の俸給月額は60歳前の70%の額とし、俸給月額の水準と関係する諸手当等は60歳前の7割を基本に手当額等を設定(扶養手当等の手当額は60歳前と同額)する。
3 60歳を超える職員の給与の引下げは、当分の間の措置とし、民間給与の動向等も踏まえ、60歳前の給与カーブも含めてその在り方を引き続き検討する。

能力・実績に基づく人事管理の徹底等
1 職員の在職期間を通じて能力・実績に基づく人事管理を徹底するなど人事管理全体を見直す必要がある。また人事評価に基づく昇進管理の厳格化等を進める必要もある。
2 勤務実績が良くない職員等には降任や免職等の分限処分が適時厳正に行われるよう、人事評価の適正な運用の徹底が必要である。


[編注、コメント]
特に、60歳以降の給与の取り扱いは、全体に、大きな影響を与えこれに習う例が増えそうだ。



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労働契約法20条正社員と有期契約社員との処遇格差をめぐる最高裁判決 

高年齢者雇用安定法に密接に関連する最高裁判決

 2018.6.1、労働契約期間の定めの有無による不合理な労働条件格差を禁じた労働契約法20条の判断をめぐって争われた2事件(1 長澤運輸事件、2 ハマキョウレックス事件)に対する最高裁判決が示された。
 以下のページに、2事件の判決概要等を取り上げています。

→ 労働契約法20条正社員と有期契約社員との処遇格差をめぐる最高裁判決
 http://laborstandard.blog82.fc2.com/blog-entry-636.html



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再雇用時と定年退職時との労働条件の比較 

再雇用時と定年退職時との労働条件の比較
調査:「中労委平成29年退職金・定年制調査」(大手企業対象)
http://www.mhlw.go.jp/churoi/chousei/chingin/17/dl/index3-07.pdf

 再雇用制度を採用している企業について再雇用時と定年退職時の労働条件を比べてみると、調査産業計では基本給の時間単価は「50%以上80%未満」が107社(同198社の54.0%)、「50%未満」が58社(同29.3%)等となっており、「定年退職時と同じ」企業はなかった。
中労委29年再雇用賃金


[編注、コメント]

2018.6.1に最高裁で判決のあった「長澤運輸事件」で、最高裁は、
「事業主が高年法により60歳超高年齢者の雇用確保措置を義務づけられている中、賃金コストの増大を回避する必要等からも、定年後継続雇用における賃金を定年退職時より引き下げること自体が不合理とは言えない」と判示している。



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