「平成29年賃金事情等総合調査」(大手企業の賃金・退職金の動向) 

「平成29年賃金事情等総合調査」
(大手企業の賃金・退職金の動向)


中央労働委員会が実施した「平成29年賃金事情等総合調査」(資本金5億円以上かつ労働者数1000人以上の大手企業230社の回答を集計)の集計結果を公表している。
ここでは、同調査結果から、退職一時金制度の算定基礎賃金調べ及びモデル退職金額に関する部分を抜粋して紹介することとします。
なお、詳細は下記URLを参照してください。

  http://www.mhlw.go.jp/churoi/chousei/chingin/17/index3.html

(1) 退職一時金制度と算定基礎

退職一時金制度を採用しているのは、調査産業計では194社 (集計213社の91.1%)で、退職一時金の算定基礎に退職時の賃金を用いるのは33社(制度のある194社の17.0%)、それ以外は163社(同84.0%)となっている。製造業では制度を採用しているのは106社 (集計119社の89.1%)で、退職一時金の算定基礎に退職時の賃金を用いるのは19社(制度のある106社の17.9%)、それ以外は87社(同82.1%)となっている。
調査産業計で退職時の賃金以外を算定基礎給とする163社のうち、「点数方式(職能等級、勤続年数等を点数(ポイント)に置き換えて算定する方式)」が122社(163社の74.8%)、「別テーブル方式(賃金と連動しない体系又はテーブルで算定する方式)」が28社(同17.2%)等となっている。製造業では退職時の賃金以外を算定基礎給とする 87社のうち、「点数(ポイント)方式」が66社(87社の75.9%)、「別テーブル方式」が15社(同17.2%)等となっている。
退職一時金の有無と算定基礎


(2) モデル退職金

「モデル退職金」は学校を卒業後直ちに入社し、その後標準的に昇進した者で、設定されたモデル条件(事務・技術労働者又は生産労働者、総合職又は一般職、学歴、年齢、勤続年数)に該当する者の退職金をいい、退職年金制度を併用している企業においては、退職年金現価額が含まれている。
定年退職した場合の退職金額は、調査産業計では大学卒事務・技術(総合職)26,947千円、高校卒事務・技術(総合職)24,779千円、高校卒生産18,408千円となっている。製造業はそれぞれ30,927千円、25,526千円、20,283千円となっている。


[編注、コメント]

 退職一時金の算定基礎に退職時の賃金を用いるのは19社(制度のある106社の17.9%)。資本金5億円以上かつ労働者数1000人以上の大手企業の動向を知る上で、参考になる数字だが、一方で中小零細企業の実態はどうなっているのだろうか?



労務安全情報センター
http://labor.tank.jp
labor100-75.jpg


スポンサーサイト

平成29年度版「労働統計要覧」 

平成29年度版「労働統計要覧」


厚労省が、各種労働統計を見やすく便覧にした平成29年度版「労働統計要覧」をまとめ、公表している。
以下のURLを参照してください。
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=242667



労務安全情報センター
http://labor.tank.jp
labor100-75.jpg

「雇用類似の働き方に関する検討会報告書」を公表(厚労省) 

雇用類似の働き方に関する検討会報告書


厚生労働省は2018.3.30、「雇用類似の働き方に関する検討会報告書」を公表。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000200771.html

報告書では、雇用類似の働き方の者について、次のように言及している。

「雇用類似の働き方の者」について

○ 発注者から仕事の委託を受けるなどして主として個人で役務の提供を行い、その対償として報酬を受ける者を対象としてはどうかとの意見。

○ しかし、情報の質及び量の格差や交渉力の格差があること、発注者から委託を受けた仕事から得る報酬が生活の糧となることから、契約内容が一方的に決定されてワーカーにとって不本意な契約となったり、契約内容が一方的に変更されてもそれを許容してしまう状況もあると考えられることを踏まえると、上記の者の中でも、さらに、このような不本意な契約を受け入れざるを得ない状態(これを経済的従属性と呼ぶことも考えられる)である者について「雇用類似の働き方の者」とする視点が考えられる。
※ 請負契約等と称していても、発注者との関係において使用従属性がある場合は、労働基準法上の労働者に該当し、労働者として労働関係法令等の対象となることに留意。

○ 雇用関係によらない働き方の者について様々な課題が考えられる中、その課題に対応する保護の内容によって、対象者の具体的な要件が必ずしも同一になるとは限らない。

○ 本検討会では雇用関係によらない働き方の一部について把握したに過ぎず、現時点で、「雇用類似の働き方の者」について画一的に定義することは困難。保護の必要性も含め、保護の内容とともに、引き続き、実態把握をしつつ、分析をしていくことが必要。
雇用類似の働き方現状



厚生労働省は、この報告書を踏まえ、今後、労働政策審議会労働政策基本部会において、雇用類似の働き方に関する保護等の在り方について、引き続き検討を行って行くとしている。



労務安全情報センター
http://labor.tank.jp
labor100-75.jpg

平成30年2月末の労災保険適用事業場ー167万事業場 

平成30年2月末の労災保険適用事業場ー167万事業場(個別)

概要
平成29年度労働保険適用状況

資料出所:厚労省「労働保険の適用徴収状況」より



労務安全情報センター
http://labor.tank.jp
labor100-75.jpg

事業所・短時間労働者にみる社会保険の適用拡大、回避の理由 

事業所・短時間労働者にみる社会保険の適用拡大、回避の理由


 労働政策研究・研修機構が社会保険適用拡大への対応状況等に関する調査を実施している。
 調査結果では、約3割の事業所が適用拡大に伴い雇用管理の見直しを行っているが、同調査の中から、労働者、事業所の適用拡大、回避についての対応状況を中心に調査結果を抜粋して紹介する。

 なお、調査結果の概要は、以下のURLから直接参照してください。
 http://www.jil.go.jp/press/documents/20180223.pdf


◎ 短時間労働者の適用拡大に対する反応(動向)

調査(短時間労働者対象の調査)の対応状況
○ 「厚生年金・健康保険が適用されるよう、かつ手取り収入が増える(維持できる)よう、(短時間労働者のまま)所定労働時間を延長した(してもらった)」で半数を超え(54.9%)
○ 「厚生年金・健康保険が適用されないよう、所定労働時間を短縮した(してもらった)」(32.7%)

◎ 事業所の適用拡大、回避理由
社会保険適用拡大、回避理由

調査(事業所調査)による社会保険の適用を拡大した理由・回避した理由では、
社会保険の適用を拡大・回避した理由
○ いわゆる適用拡大策を採った事業所に、新たに適用を拡大した理由を尋ねると(複数回答)、「短時間労働者自身が希望したから」(78.2%)がもっとも多く、次いで「短時間労働者の処遇を改善し、人材の確保・定着を図りたいから」(45.4%)、「適用を回避すると、業務等に支障が出るから(短時間労働者の離職等にもつながるから)」(39.6%)等となった。

○ 一方、適用回避策を採った事業所に、新たな適用を回避した理由を尋ねると(複数回答)、「短時間労働者自身が希望していないから」(91.6%)が圧倒的に多く、これに「総額人件費の増加につながるから」(18.5%)等が続いた。

そこで、「短時間労働者自身が希望していないから」と回答した事業所(282社)を対象に、更にその理由は何だと思うか尋ねると(複数回答)、「健康保険の扶養から外れるから」(78.4%)や「配偶者控除を受けられなくなるから」(74.8%)が多く挙がり、次いで「配偶者の会社から手当(配偶者手当や家族手当等)が支給されない恐れがあるから」(65.6%)や「手取り収入が減少するから」(64.9%)等となった。


[編注、コメント]
社会保険適用拡大に対する適用拡大、回避理由は、概ね予想されたところだが、事業所、短時間労働者ごと、理由ごとにその割合が把握されており、興味深い調査。



労務安全情報センター
http://labor.tank.jp
labor100-75.jpg