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AI等の活用・課題に関する報告書(2019.6.26取り纏め) 

 厚生労働省は、2019.6.26に開催された「第18回労働政策審議会労働政策基本部会」でAI等の活用・課題に関する報告書を取りまとめ公表している。

 報告書は、
①「質の高い労働の実現のためのAI等の活用」、
②「AI等の普及により求められる働き方の変化」、
③「働く現場でAI等が適切に活用されるための課題」
をテーマに纏められている。
 今後、報告書は労働政策審議会に報告される運び。

報告書等は、以下のページから直接参照することができます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05463.html



労務安全情報センター
http://labor.tank.jp
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「2040年の日本(就業者の長期推計)」人口減少、高齢化、AI 

雇用政策研究会報告書案
2019.1.15
2040年の日本
(就業者の長期推計)

https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000467968.pdf


人口減少:人口は、1億2,671万人(2017年)から、2040年には1億1,000万人程度まで減少する見込み。
高齢化 :65歳以上人口は、2040年頃には団塊ジュニアが65歳となりピークになる見込み(高齢化率も27.7%→35%超に上昇)。
技術革新:AI等に代表される技術革新の急速な進展により、働き方も含めた社会のあり方が変容する可能性。
2019雇用研究会報告書


○正社員が、自らのライフスタイルに合った働き方が選択でき、かつ、希望する労働時間を実現できることが重要。
○企業による人的投資が低迷する中で、労働者の主体的なキャリア形成を支援する必要。
○転職ニーズが高まる中で、転職・再就職機会の拡大を図る必要。
○就業率が上昇しつつも中小企業を中心に深刻化する人手不足への対応が急務。

○女性・高齢者の就業が進展する一方、十分に活躍できる環境を整えることが急務。
○働く意欲はありつつも、様々な事情により働けない人に活躍の機会を提供することは、社会参加の手段を通じて人々の生活を豊かにすることにつながる。
〇人口減少が進む我が国においては、就業率の向上を図り、社会としての活力維持の観点からも重要。

「経済成長と労働参加が進まないケース」は、2040年の就業者数が▲1,285万人(2017年比)となるが、「経済成長と労働参加が進むケース」では、その場合よりも約779万人増となり、2017年比で▲506万人にとどまる見込みである

○ 男性:「経済成長と労働参加が進むケース」では、年齢に関わりなく希望する全ての者が働ける社会の実現により、男性の高齢層の労働力率は上昇。また、「経済成長と労働参加が進まないケース」より、2040年時点での就業者数は約234万人増となるが、人口減少の影響で、2017年比で477万人減少する見込み。
○ 女性:「経済成長と労働参加が進むケース」では、女性の就業環境の改善等によりM字カーブが解消。また、「経済成長と労働参加が進まないケース」よりも、2040年時点での就業者数は約545万人増となるが、人口減少の影響で、2017年比で30万人の減少となる見込み。

○ 「経済成長と労働参加が進むケース」の場合、大幅な人口減少下にある2040年でも、医療・福祉の就業者数は974万人(2017年807万人)となる。また、製造業の就業者数は1011万人(2017年:1009万人)となる



【編注、コメント】

「人口減少、高齢化、技術革新(AI)」が絡み合う20年後の労働市場の予測は、容易でない。
一つ前提が崩れるなら、まったく違った世界が出現する不安がある。



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報告書「~進化する時代の中で、進化する働き方のために~」 

 厚生労働省は2018.9.5、労働政策審議会労働政策基本部会報告書「~進化する時代の中で、進化する働き方のために~」を公表した。
 同報告書は、働き方を取り巻く新たな中長期的課題として、

①「技術革新(AI等)の動向と雇用・労働への影響」、
②「労働者のキャリア充実支援や柔軟な労働市場の形成など、働く人全ての活躍を通じた生産性向上等に向けた取組」
③「テレワークや副業・兼業、雇用類似の働き方など、時間・空間・企業に縛られない働き方」

の各事項について整理したもの。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_01176.html

テレワーク副業

[編注、コメント]

報告書→「AI等の技術革新が雇用・労働に与える影響は、技術革新の動向や新技術の導入の費用等の不確定要素にも左右され、全体像を予測することは困難」

”それはそうかも知れないが、それでは、報告書を読む気が萎えて”しまいます!



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AIと接客 

AIと接客

日本経済新聞2018.5.21朝刊「エコノフォーカス」から抜粋紹介

「レオパレス21の全国5カ所のコールセンターでは、AIがオペレータを支援する。
客から電話がくると、まずAIが自動的に文章にして分析。問い合わせに適した回答事例をすぐに画面に表示する。経験の浅いオペレータでも短時間で対応できる。→年間約2600時間の作業時間と約460万円のコスト削減を見込むが、狙いは効率化だけではない。
AIと人の協業は顧客満足度を高めることにもつながる。
コールセンターの対応をAIだけに任せた場合の顧客満足度は60%。ヒトの場合(68%)を下回るがAIと人が協業すると88%に高まったという
。」


[編注、コメント]
コールセンターの業務効率化のイメージと「AIと人の協業は顧客満足度を高める」ことの関係性がよく理解できる記事だったように思う。



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ブロックチェーンを使った金融機関向け基盤システム 

2018.1.17付日本経済新聞 夕刊記事から

記事タイトル「日本マイクロソフト、ブロックチェーンで送金 金融機関向け 低コスト、手数料下げの恩恵も」

 「 日本マイクロソフト(MS)は電通国際情報サービスと組んで、仮想通貨の基幹技術であるブロックチェーン(分散型台帳)を使った金融取引システムの販売を始める。世界の大手金融機関が出資する新興企業の技術を使っており、国際送金など金融取引コストを大幅に圧縮できる。個人にも手数料の削減など恩恵が広がる可能性がある。

 金融とIT(情報技術)を融合したフィンテックを巡っては、スタートアップ企業が即日送金などを展開し、銀行から顧客を奪っている。ブロックチェーンを使うことで、大手金融機関でも夜間や休日の即日送金といった新サービス開発に弾みがつきそうだ。

 ブロックチェーンは複数の参加者で取引データを互いに共有し、正しい記録を鎖(チェーン)のようにつないで蓄積する仕組み。ビットコインなど仮想通貨の取引記録で活用されている。

 日本MSはブロックチェーン開発の米スタートアップ企業「R3」の基盤システムを提供する。R3は米ウェルズ・ファーゴなど海外金融機関のほか、日本の3メガバンクなど約40社が計100億円以上出資する。R3の技術がブロックチェーンを使った金融機関向け基盤システムで、デファクトスタンダード(事実上の標準)となる可能性がある

 日本MSのクラウドサービス上で、R3のブロックチェーンを使った金融取引システムを構築する。日本MSのクラウドは国内金融機関のデータ保護の基準をクリアしており、情報漏洩を防ぐ。

 参加企業が多いほど投資負担が抑えられる。基盤システムが普及すれば、現在使うシステムの利用料や連携先の企業との共通システムを構築する場合よりも30%前後のコスト削減が見込める。一般的には国際送金で数千円かかる手数料が数円になり、1~3日かかる手続きはほぼリアルタイムになるとされる。日本MSは既存システムとの連携を目指す。

 R3は米MSと連携して米国での国内送金の実証実験を進めているほか、貿易資金を融資するトレードファイナンスでの採用実績もある。日本国内でも一部金融機関と実用化を前提にした実証実験に乗り出す。

 世界の銀行や証券会社が、フィンテックへの取り組みを急いでいる。日本国内では、三菱UFJフィナンシャル・グループが独自のデジタル通貨「MUFGコイン」の開発を進めている。



[編注、コメント]

「国際送金の手数料
数千円→数円に
1~3日かかる手続き→ほぼリアルタイムになる。」という説明もなるほどとおもったが、

「R3の技術がブロックチェーンを使った金融機関向け基盤システムで、デファクトスタンダード(事実上の標準)となる可能性がある。」というのはどの程度の話なのだろうか。



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