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教諭過労自殺は公務災害、初の認定義務付け~大阪高裁判決  

” 京都市立中学校の教諭だった男性(当時46)がうつ病となり自殺したのは過労が原因だったとして、妻(56)が公務災害と認定するよう求めた訴訟の控訴審で、大阪高裁は23日、請求を退けた一審・京都地裁判決を取り消し、地方公務員災害補償基金(東京)に対し認定を義務付ける逆転判決を言い渡した。
 原告代理人の弁護士によると、過労死や過労自殺の公務・労働災害認定を巡る訴訟で、義務付けの訴えが認められたのは初めて。
 紙浦健二裁判長は「男性は相当程度ストレスを感じる出来事が複数あった。業務増加で心理的負荷が過重となり、うつ病を発症、自殺との相当な因果関係も認められる」と判断。「時間外勤務は過重と言えない」などとして、自殺と公務との相当な因果関係を否定して請求を退けた京都地裁判決を取り消した。
 判決によると、男性は1998年4月から学級担任のほか複数の部活や同好会の顧問などを担当。同年10月に「抑うつ状態」で3カ月の休養加療が必要と診断され、休職中の同年12月に自殺した。妻が公務災害認定を請求したが、同基金京都府支部は公務外と認定、審査請求も棄却した。(2012.2.24日本経済新聞記事から)”


 なお、2012.2.24付け日本経済新聞は、本判決に関連して次のような解説を付している。
 参考になる指摘を含むので、以下、転載します。
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 ≪教諭過労自殺は公務災害、初の認定義務付け――行政に迅速対応促す≫
 公務・労働災害の認定を求める訴訟は従来、認定請求を退けた処分の「取り消し」を求める例が一般的だった。
 ただ裁判で処分が取り消されても、行政が改めて認定し直すには時間がかかることが多い。特に障害補償給付などを求めた場合、判決後に障害の等級を評価し直すため、認定するまでの期間は事実上、行政側の裁量だった。
 行政に特定の処分を義務として行うよう求める「義務付け訴訟」は、2004年の行政事件訴訟法改正で可能になった。業務が原因の障害や傷害を巡る訴訟では、07年に東京地裁、10年に神戸地裁が認定義務付けを認める判決を言い渡した。
 当事者が死亡した事例で認定を義務付けた判決は今回が初めて。
 判決後、記者会見した原告代理人の弁護士は「(認定を義務付けた判決により)行政側に法的プレッシャーを与え、速やかな対応を促せる」と評価。「同種の訴訟にも影響を与える可能性がある」と話した。
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[編注、コメント]
 記事中に指摘にもあるように「同種の訴訟にも影響を与える可能性がある」判決だ。
 しかし、裁判所オールマイティ主義、全部裁判所に任せておきなさいというのも「いいのか、悪いのか」。


労務安全情報センター
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