勤務間インターバル制度
勤務間インターバル制度
2015.10.26付け日本経済新聞朝刊に次の記事が掲載されていた。
記事タイトル=終業→始業、一定時間を空けて、休息確保、疲労の蓄積防ぐ、EUは法制化、日本も導入機運。
記事本文
「退社から翌日の出社まで一定時間を空ける「勤務間インターバル制度」を導入する企業が相次いでいる。」として、次のように、JTB首都圏の事例、及びKDDIの事例を取り上げて紹介している。以下、事例紹介の部分を転載致します。
JTB首都圏
「JTBグループのJTB首都圏(東京・品川)は4月、9時間の間隔を空ける制度を労使で合意、導入した。
JTB首都圏では旅行予約など店頭で接客する社員が約8割を占める。土日や祝日も営業する店舗が多く、1日最短4時間、最長10時間の勤務の組み合わせで、シフト制のため始業時間は社員によってまちまち。社員から「始業時間が日によって異なり、生活のリズムがつかめない」といった声が上がっていた。
JTB首都圏の柴田裕嘉ダイバーシティ推進課長は「自らも制度の対象である管理職は部下への監督の意味も込め、短時間で効率的に働こうとする意識を高めている」と話す。業務改善の効果もあり、8月の平均残業時間は前年に比べ約1時間減った。労組は今後、間隔を11時間に広げる要求も視野に入れる。会社側も店舗で接客する社員には適用可能とみている。」
KDDI
「KDDIは7月、管理職を除く社員1万人を対象に、退社から出社まで8時間以上空けるルールを就業規則に盛り込んだ。例えば午前2時まで勤務したら原則、10時まで始業は禁止。「1カ月の労働時間の総量だけでなく、規則的な休息も重視する」(人事部)ためだ。仕事の区切りを明確にして勤務を効率化する狙いもある。割増賃金が必要な残業も減らせる。
制度の徹底を目指し、10月からは社員のパソコン画面に退社から出社までの時間表示を始めた。健康管理のため、管理職を含めた1万4千人を対象に安全衛生管理規定も導入。間隔が11時間未満だった日が月11日以上だった社員の勤務改善を促し、残業が目立つ部署には是正を勧告する。」」(2015.10.26日経朝刊)
記事では、このほか、勤務間インターバル制について
「睡眠などの休息時間を確保することで、疲労の蓄積を防ぐ狙いがある。欧州連合(EU)ではEU指令により、各国で浸透した。日本に法的な規制はないが、先行した企業で成果が上がれば広がる可能性がある。」
と指摘する一方、労働安全衛生総合研究所の久保智英主任研究員は「インターバル制度は必要な休息時間を定めているため、疲労回復の効果を見込める」と話す。ただ「EU並みに11時間を空けても、『過労死ライン』といわれる1カ月80時間の残業が可能で、問題は残る」と指摘する。」と課題にも触れている。
[編集、コメント]
EU労働時間指令は、1993年制定(2000年に一部改正)は休息時間規制として「一日の休息時間を、勤務と勤務の間に最低限11時間確保すること」を求めている。
24時間につき11時間の休息時間であるから、休憩時間を含めた1日の拘束時間の上限は、13時間ということになる。一日の勤務(拘束)時間の上限規制は、労働者の安全と健康の確保に極めて有効であると考えられている。
労務安全情報センター
http://labor.tank.jp

2015.10.26付け日本経済新聞朝刊に次の記事が掲載されていた。
記事タイトル=終業→始業、一定時間を空けて、休息確保、疲労の蓄積防ぐ、EUは法制化、日本も導入機運。
記事本文
「退社から翌日の出社まで一定時間を空ける「勤務間インターバル制度」を導入する企業が相次いでいる。」として、次のように、JTB首都圏の事例、及びKDDIの事例を取り上げて紹介している。以下、事例紹介の部分を転載致します。
JTB首都圏
「JTBグループのJTB首都圏(東京・品川)は4月、9時間の間隔を空ける制度を労使で合意、導入した。
JTB首都圏では旅行予約など店頭で接客する社員が約8割を占める。土日や祝日も営業する店舗が多く、1日最短4時間、最長10時間の勤務の組み合わせで、シフト制のため始業時間は社員によってまちまち。社員から「始業時間が日によって異なり、生活のリズムがつかめない」といった声が上がっていた。
JTB首都圏の柴田裕嘉ダイバーシティ推進課長は「自らも制度の対象である管理職は部下への監督の意味も込め、短時間で効率的に働こうとする意識を高めている」と話す。業務改善の効果もあり、8月の平均残業時間は前年に比べ約1時間減った。労組は今後、間隔を11時間に広げる要求も視野に入れる。会社側も店舗で接客する社員には適用可能とみている。」
KDDI
「KDDIは7月、管理職を除く社員1万人を対象に、退社から出社まで8時間以上空けるルールを就業規則に盛り込んだ。例えば午前2時まで勤務したら原則、10時まで始業は禁止。「1カ月の労働時間の総量だけでなく、規則的な休息も重視する」(人事部)ためだ。仕事の区切りを明確にして勤務を効率化する狙いもある。割増賃金が必要な残業も減らせる。
制度の徹底を目指し、10月からは社員のパソコン画面に退社から出社までの時間表示を始めた。健康管理のため、管理職を含めた1万4千人を対象に安全衛生管理規定も導入。間隔が11時間未満だった日が月11日以上だった社員の勤務改善を促し、残業が目立つ部署には是正を勧告する。」」(2015.10.26日経朝刊)
記事では、このほか、勤務間インターバル制について
「睡眠などの休息時間を確保することで、疲労の蓄積を防ぐ狙いがある。欧州連合(EU)ではEU指令により、各国で浸透した。日本に法的な規制はないが、先行した企業で成果が上がれば広がる可能性がある。」
と指摘する一方、労働安全衛生総合研究所の久保智英主任研究員は「インターバル制度は必要な休息時間を定めているため、疲労回復の効果を見込める」と話す。ただ「EU並みに11時間を空けても、『過労死ライン』といわれる1カ月80時間の残業が可能で、問題は残る」と指摘する。」と課題にも触れている。
[編集、コメント]
EU労働時間指令は、1993年制定(2000年に一部改正)は休息時間規制として「一日の休息時間を、勤務と勤務の間に最低限11時間確保すること」を求めている。
24時間につき11時間の休息時間であるから、休憩時間を含めた1日の拘束時間の上限は、13時間ということになる。一日の勤務(拘束)時間の上限規制は、労働者の安全と健康の確保に極めて有効であると考えられている。
労務安全情報センター
http://labor.tank.jp

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- [2015/12/29 00:11]
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