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無期転換ルールに係る厚労省モデル就業規則[規定例] 

無期転換ルールに係る
厚労省モデル就業規則

【規定例】


 無期転換ルールに係る厚労省モデル就業規則は、現在、飲食業と小売業について作成されています。
 飲食業 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000122319.pdf
 小売業 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000122320.pdf

以上のモデル就業規則中、無期転換ルールに係る規定例は、次の形で紹介されています。

●モデル規定例

第○条(契約社員から正社員・限定正社員・無期転換社員への転換)

1 複数回の雇用契約により、有期契約の期間が継続5年以上となることが決まった契約社員の場合であって、正社員又は限定正社員への転換を希望する者について所属長の推薦がある場合には、会社はそれぞれの登用試験を実施し、合格した者について正社員又は限定正社員に登用する。

2 前項の登用試験は、毎年○月末日までに、所属長の推薦状を添付した本人の申込書を受け付けて、原則として翌年△月に実施し、その合格者について口月1日付で登用する。

3 複数回の雇用契約により、有期契約の期間が継続5年以上となることが決まった契約社員及びパートで、無期雇用契約への転換を希望する場合、次回更新時の雇用契約より無期雇用の契約社員として継続雇用する。



■解説
 以上のモデル就業規則には、次の「解説」が付されています。


 この規定は、無期転換申込権が発生することが定した段階で、契約社員に対して正社員又は限定正社員への転換希望の有無を認し、正社員転換を希望する契約社員が転換条件を満たす場合に、正社員又は限定正社員へ登用を行い、同様のタイミングで無期転換の申込みがあった場合に、無期転換社員に登用するケースの規定例です。

 労働契約法に定める「無期転換ルール」は、反復更新される有期労働契約が通算5年超過した際に締結している有期の雇用契約の契約期間が満了するまでの間の労働者からの申込みに対して、その次の雇用契約から無期の雇用契約に転換することを求めるものであり、本条の内容は、有期労働契約者のモチベーション確保等を目的として、無期転換希望の有無について、法で求める時期よりも早い段階で、区分を転換する制度としています。

 本条の規定では、契約社員は、無期転換への申出日以後に正社員及び限定正社員への登用試験の受験申込をし、正社貝及び限定正社員への登用試験に合格した場合に登用されることとなります。また、1項に定める登用試験に不合格となり、正社員及び限定正社員に転換できなかった者についても、労働契約法に定める無期転換申込権は発生するため、本人が希望した場合には、無期雇用契約への転換を行う必要があります

(また、登用試験に不合格となった対象者に対しては、不合格になった原因と改it点・改善方法等について丁寧に説明することによって、彼らのモチベーションが低下することのないような配慮が必要です。)


[編注、コメント]

 昭和30年度から労働契約法に基づく無期転換ルールが適用になる。
 企業は、就業規則の整備が必要となる。
 現在、厚労省から「飲食業」「小売業」の無期転換ルールに係る厚労省モデル就業規則が作成周知されている状況である。
 法的には、モデル規定例の第3項のみ規定化されることによって、最低限の対応は可能だが、厚労省モデルは、その直前段階に、「本人希望。所属長推薦」に基づく、社員登用制度をはさんでいる。
 企業は、モデル規定の意味するところを正確に読み取って、当該制度の採否と決める必要がある。
 
 なお、厚労省解説でも触れていることだが、無期転換ルール該当者に対する人事政策をあわせ確立しておく必要がある。
 すなわち、
 「モデル就業規則では、無期転換申込権が発生した有期契約社員の正社員・限定正社員あるいは無期転換社員への転換を規定していますが、そのまえに企業は「無期転換ルール」に対応するに当たっての基本的な方向、つまり、原則として有期契約社員全員を無期契約社員に転換させる「全員転換策」をとるのか、5年を前に一部を選んで転換させる「選択的転換策」をとるのか、原則として全員転換させない「転換回避策」をとるのかを渓める必要があります。(厚労省解説)」
 実際の運用にあたっては重要です。



労務安全情報センター
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