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東芝調査報告書ー調査手法にも注目が 

東芝調査報告書ー調査手法にも注目が
2021.6.10

 東芝は2021.6.10、会社法316条2項に基づく調査報告書を公表した。昨年7月31日開催の定時株主総会が公正に運営されたか否かを主な調査対象とするものだが、その調査結果には、衝撃が走った。

 約120ページに上る調査報告書の中で、東芝がいわゆる物言う株主対策として、経済産業省に支援を要請。経産省は外為法の発動権限をバックに、東芝と一体となって対応し、株主に不当な影響を与え、「定時株主総会が公正に運営されたものとはいえない」とした点が報告書のポイントの一つですが、もう一つ、この調査報告書が、ここまで深く当時の対応状況に迫ることができ、問題点をえぐりだすことが出来たか、という調査手法にも関心が持たれた。


 調査手法に関して、2021.6.13日本経済新聞朝刊の記事に、次のような興味深い解説がなされていた。

 「「デジタル・フォレンジック」調査を実施。調査時に社長兼最高経営責任者(CEO)ら7人について、メールサーバーからデジタルデータの分析を行ったとした。計52万件以上の電子メールと、25万件以上の添付ファイルを専用ソフト(※)で解析。人工知能(AI)が調査対象テーマに関わりが深いとみられるものを分類し、15人の弁護士らが手分けして読み込むなどの手法で、細かい事実関係を調べ上げた。

(※)フォレンジックの専用ソフトは、メールや文書内に含まれるキーワードから関連文書をスクリーニングするだけでなく、前後の文脈なども判断できる。

 今回、調査にあたった弁護士らの調査権限の強さも際立った。過去の企業不祥事などでは、取締役会や一部株主が依頼した「第三者委員会」が調査することが多かった。これに対し今回の報告書をまとめた前田陽司弁護士らは、会社法316条に基づく「総会提出資料調査者」として株主総会で選ばれた。取締役が調査者による調査を妨げた場合は100万円以下の過料の対象とすると定める。(以下略)」(2021.6.13日本経済新聞朝刊の記事から)


参考:東芝調査報告書
2021.6.10
https://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/20210610_1.pdf


[編注・コメント]

 AIによるメール分析の威力には驚いた。調査内容もさることながら、調査手法にも正直、びっくりし学ぶことが多かった。



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