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日経新聞記事「雇用カルテル,米が摘発 賃金調整や人材引き抜き制限」 

「雇用カルテル,米が摘発 賃金調整や人材引き抜き制限」

2021年8月9日 日本経済新聞朝刊記事から


記事タイトル:雇用カルテル 米が摘発。賃金調整や人材引き抜き制限
記事本文:「米国の競争規制の強化が雇用分野にも及んできた。米司法省(DOJ)は賃金と人材引き抜きに関するカルテルを相次いで摘発。2016年に示していた「雇用カルテル」の指針が、初めて実際の取り締まりに反映した。雇用分野での企業間の擦り合わせ行為に、より厳しい目が注がれる可能性が高まっている。

DOJは20年12月、理学療法士などの賃金を低く抑えるよう他社と共謀したとして、米ヘルスケア企業の元オーナーを刑事訴追した。21年1月には、外来診療施設を運営する米サージカル・ケア・アフィリエーツとその関連企業を、互いに従業員の引き抜きをしないよう他社と擦り合わせた疑いで刑事訴追。(以下中略)・・
・・カルテルは一般的に、商品の価格や数量などを企業間で擦り合わせる行為が問題視されるケースが多い。今回の両事案は雇用に関する行為が対象になったのが特徴だ。

伏線はあった。DOJと米連邦取引委員会(FTC)は16年、企業間の賃金調整や引き抜き防止協定など、あからさまな悪質行為は反トラスト法(独占禁止法)違反として刑事訴追の対象になるとの指針を発表した。米IT大手がエンジニアの引き抜きを禁止する取り決めを結んだ疑惑で紛争が生じたことなどを受けたものだった。(中略)・・

バイデン米大統領も取り組み姿勢を鮮明にしている。7月の大統領令では、幅広い産業で独占を厳しく取り締まる姿勢を強調した中で、労働者の地位改善もテーマのひとつとした。雇用主が共謀して賃金が不当に抑えられることなどがないよう、DOJなどに反トラスト法のガイダンスの見直しを促した。競合他社への転職を制限する協定に関しても、見直しに向けてFTCに法整備を指示した。
松田章良弁護士は「摘発ペースは加速する可能性があり、進出する日系企業も無関係ではない」と指摘。「人事部による人材採用や給与決定の独立性を確保し、意思決定の過程を記録しておくことなどが重要だ」と話す。」


[編注・コメント]

 アメリカの動向として、「雇用カルテル」摘発の記事が目を引いた。雇用分野での企業間のすり合わせは日本の雇用慣習からも問題視すれば根が深い。アメリカでの動きも、今後、どのように展開するのか読み切れないところがあるが、企業の人事労務部門の担当責任者は、本記事を含め、雇用カルテル摘発をめぐる米政府の動向は注目しておきたい。



労務安全情報センター
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