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残業・1か月80時間超事業場に重点監督、企業本社指導の強化も 

1 1か月80時間超え事業場に監督指導(全国の労働基準監督署)
2 企業本社の指導強化(厚労省に「対策班」-労働局に担当管理官の体制確立)
3 時間外労働の上限規制の検討




201.4.2日本経済新聞朝刊は、
タイトル「「残業80時間」監視強化、厚労省が対策班設置、全国の労働局と連携」とする記事を掲載している。
記事の内容は以下のとおり。(○は編集上当方で加えたもの)

「塩崎恭久厚生労働相は2016.4.1

○ 1カ月の残業が100時間に達した場合に行っている労働基準監督署の立ち入り調査について「80時間を超える残業のある事業所に対象を広げる」と表明した。
  各地の労働局と連携する対策班を厚労省にもうけ、長時間労働を減らすよう監視を強める。
  80時間を超える残業をしている従業員が、1人でもいると疑われると対象になる。厚労省によると年約2万の事業所が監視の対象になるという。昨年の2倍に達する。
 
○ 企業の本社への監督指導体制も強化する
  厚労省は昨年、従業員に過酷な労働を強いるブラック企業対策として「過重労働撲滅特別対策班」を東京と大阪に置いた。塩崎厚労相は「今後、本省に司令塔を置く」として、省内に6人体制の対策班を新たにもうけた。全47の労働局には長時間労働を監視し、改善を指導する特別監督監理官を1人ずつ配置した。塩崎厚労相は「長時間労働の是正に向け、法律の執行強化もやれることはただちにやる」と強調した。

○ 労働基準法では1日の労働時間を原則8時間と定めている。残業については厚労省は月45時間までにとどめるよう企業に求めているが罰則はない。特別条項付きの協定を労使で結べば、45時間を超えた残業もできる。専門家などからは「労働時間を際限なくのばせるのはおかしい」と疑問視する指摘があがっていた。
  従業員の残業時間に上限で80時間の新たな規制を設ける方針について、経団連の榊原定征会長は「長時間労働は企業の生産性向上の阻害要因だ」として会員企業に一段の改革を進めるよう求めるという
。ただ人手不足の問題を抱える現場の受け止めは微妙だ。衣料品専門店チェーンの幹部は「従業員を増やして残業時間全体の平均を抑えるのは難しい。80時間を超える分は申告しない『隠れ残業』が増えるのでは」と懸念する。 」(日経新聞2016.4.2朝刊記事から)



参考
関連情報
安倍総理の発言
1 長時間残業を前提とした事業運営の企業への監督指導を強化
2 時間外労働の限度時間規制の在り方について再検討へ


政府は2016.3.25、第6回一億総活躍国民会議を開催。
この席で、安倍総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。

「第一に、長時間労働の是正であります。長時間労働は、仕事と子育てなどの家庭生活の両立を困難にし、少子化の原因や女性の活躍を阻む原因となっています。戦後の高度経済成長期以来浸透してきた『睡眠時間が少ないことを自慢し、超多忙なことが生産的だ』といった価値観でありますが、これは段々ですが、そうでもない、生産性もないという雰囲気が、この3年間で大分変わり始めているのではないかと思います。私はまだ若いサラリーマンの頃、こういう価値観があって、8時くらいに帰ろうとするともう帰るの、という雰囲気があったわけですが、企業側に聞いたところ、政府が全体の労働時間の抑制や働き方を変えていくことについて、旗振り役を期待しているかということについて期待している人が90%ということは、皆帰るのだったら帰りたいということに変わり始めている。やっとそういう雰囲気に変わり始めたので、ここは、正に我々が更に背中を押していくことが大切であろうと思います。
 まず、法規制の執行を早急に強化をします。時間外労働を労使で合意する、いわゆる36協定において、健康確保に望ましくない長い労働時間を設定した事業者に対しては、指導強化を図ります。また、関係省庁が連携して、下請などの取引条件にも踏み込んで長時間労働を是正する仕組みを作ります。これらの執行強化について、厚生労働大臣におかれては、経済産業大臣、加藤大臣の協力の下、具体策を早急に取りまとめ、直ちに実行に移していただくよう、お願いをいたします。
 労働基準法の改正につきまして、多様な議論がありました。これについては、現在提出中の労働基準法改正法案に加えて、36協定における時間外労働規制の在り方について再検討を行うこととします
 第二に、

  (首相官邸Webサイト)
  http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201603/25ichioku.html



 [編注、コメント]

 監督指導の強化は、監督機関の陣容、それに割くことのできる主体的能力にもよるので、成果のほどは何とも言えないところだが、注目すべきは、
 ① 「残業が、生産性向上に寄与するとは限らない」(「サービス残業ならいざ知らず,ペイしなければならない残業は、生産性向上に寄与しない」、という当然の認識。)ことが認識される雰囲気になってきたこと。企業はこの潮目の変わりを読んでおかなけれはならないように思います
 ② もう一つは、長時間労働を抑制する方向での「法規制の再検討」です

 36協定の特別条項締結における上限規制だけを言っているのか、勤務インターバル制を含めた検討まで踏み込むのかわかりませんが、(この分野の懸案事項の一つだっただけに)、関心をもって検討過程を見守りたいと思います。

 しかし、経団連が「長時間労働は企業の生産性向上の阻害要因だ」との認識を有しているようなら、法規制強化も実現する可能性がありそうに思えます。





労務安全情報センター
http://labor.tank.jp
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