「勤務間インターバル制の導入で、助成金支給」の記事! 

休息時間

2016.5.4日本経済新聞朝刊トップに要旨、次のような記事が掲載されていました。

○ 勤務間インターバル制(退社してから翌日に出社するまでに一定時間を空ける制度)を導入した企業に助成金支給
○ 就業規則へ明記を条件に!
○ 記事はその他に、1993年EU労働時間指令のうち、勤務間インターバル制(休息時間)、週の労働時間48時間上限などの内容を紹介している。


1993年EU労働時間指令の主な内容

1 勤務間インターバル制
  24時間につき最低連続11時間の休息時間を設ける。
  (翌日勤務開始までの間に、11時間をおく。)
  (これは、1日拘束時間の上限という意味では13時間となる。)

2 休日
  7日毎に最低連続24時間の休息時間プラス上の11時間の休息時間(24+11=35時間の休息時間)を確保する。
  なお、算定基礎期間は最高14日とされているから、2週間単位の変形休日は許容される。

3 週の労働時間
  4カ月平均で1週に、時間外労働を含め48時間以上働かせてはならない。
  
  ※ 加盟国は次の要件を充たせば週48時間労働の規定を適用しないことができるとされている。具体的には、
  ① 使用者は、あらかじめ労働者の同意を得ている場合にのみ、4カ月平均週48時間を越えて労働させることができる。
  ② 労働者が(i)の同意をしないことを理由にして不利益取り扱いをしてはならない。
  ③ 使用者は48時間を越える全労働者の記録を保存しなければならない。


※ 以上は、濱口桂一郎氏による「勤務間インターバル規制の意義と課題」(『東京都社会保険労務士会会報』2014年11月号) http://hamachan.on.coocan.jp/tokyosr1411.html を参照させて頂きました。



 [編注、コメント]
 
 日経新聞の記事は、上記に紹介したEU労働時間指令の「1」について、就業規則に明記することを条件に助成金を支給するというものだ。

 労働時間に対する最も本質的で、まっとうな規制である上記「1」「2」「3」の法制化が検討される環境が醸成されていくことを期待したい。 長時間労働から得られるものは少なく、弊害は甚だ大きい。



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ツアーバス運行会社に緊急の集中監督 

ツアーバス運行会社に緊急の集中監督
長時間労働、健康管理に問題あり


この結果を受けて、
日本バス協会に対し、労働時間管理等の徹底を要請
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000122120.html



ツアーバスを運行する貸切バス事業場
に対する緊急の集中監督指導実施状況
改善基準項目別違反状況
ツアーバス監督

上記、違反状況のほか典型的な指導事例が3例掲載されています。


なお、図表の違反項目のそれぞれの意味は、次の改善基準告示の概要を参照してください。

「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)のバス関係抜粋

○ 総拘束時間 バス、原則4週間平均で1週間65時間
○ 最大拘束時間 トラック、バス、タクシー: 原則1日16時間(ただし、1日の原則的な拘束時間は13時間)
○ 休息期間【勤務と次の勤務の間の自由な時間】 トラック、バス、タクシー: 原則継続8時間以上
○ 最大運転時間 バス: 原則2日平均で1日9時間、4週間平均で1週間40時間
○ 連続運転時間 トラック、バス: 4時間以内運転の中断には、運転開始後4時間以内又は4時間経過直後に、1回連続10分以上かつ合計30分以上の運転をしない時間が必要。
○ 休日労働 バス、2週間に1回以内、かつ、4週間の拘束時間及び最大拘束時間の範囲内
※ その他、拘束時間の例外や分割休息期間、2人乗務、隔日勤務、フェリー乗船などの場合の特例有り。


 [編注、コメント]

 バス、トラック関係の指導項目は、
 その大半が
 「長時間労働」と「健康管理」。
 この部分の管理状況は、道路上の事故と密接に関係してくることになる訳だ。


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残業・1か月80時間超事業場に重点監督、企業本社指導の強化も 

1 1か月80時間超え事業場に監督指導(全国の労働基準監督署)
2 企業本社の指導強化(厚労省に「対策班」-労働局に担当管理官の体制確立)
3 時間外労働の上限規制の検討




201.4.2日本経済新聞朝刊は、
タイトル「「残業80時間」監視強化、厚労省が対策班設置、全国の労働局と連携」とする記事を掲載している。
記事の内容は以下のとおり。(○は編集上当方で加えたもの)

「塩崎恭久厚生労働相は2016.4.1

○ 1カ月の残業が100時間に達した場合に行っている労働基準監督署の立ち入り調査について「80時間を超える残業のある事業所に対象を広げる」と表明した。
  各地の労働局と連携する対策班を厚労省にもうけ、長時間労働を減らすよう監視を強める。
  80時間を超える残業をしている従業員が、1人でもいると疑われると対象になる。厚労省によると年約2万の事業所が監視の対象になるという。昨年の2倍に達する。
 
○ 企業の本社への監督指導体制も強化する
  厚労省は昨年、従業員に過酷な労働を強いるブラック企業対策として「過重労働撲滅特別対策班」を東京と大阪に置いた。塩崎厚労相は「今後、本省に司令塔を置く」として、省内に6人体制の対策班を新たにもうけた。全47の労働局には長時間労働を監視し、改善を指導する特別監督監理官を1人ずつ配置した。塩崎厚労相は「長時間労働の是正に向け、法律の執行強化もやれることはただちにやる」と強調した。

○ 労働基準法では1日の労働時間を原則8時間と定めている。残業については厚労省は月45時間までにとどめるよう企業に求めているが罰則はない。特別条項付きの協定を労使で結べば、45時間を超えた残業もできる。専門家などからは「労働時間を際限なくのばせるのはおかしい」と疑問視する指摘があがっていた。
  従業員の残業時間に上限で80時間の新たな規制を設ける方針について、経団連の榊原定征会長は「長時間労働は企業の生産性向上の阻害要因だ」として会員企業に一段の改革を進めるよう求めるという
。ただ人手不足の問題を抱える現場の受け止めは微妙だ。衣料品専門店チェーンの幹部は「従業員を増やして残業時間全体の平均を抑えるのは難しい。80時間を超える分は申告しない『隠れ残業』が増えるのでは」と懸念する。 」(日経新聞2016.4.2朝刊記事から)



参考
関連情報
安倍総理の発言
1 長時間残業を前提とした事業運営の企業への監督指導を強化
2 時間外労働の限度時間規制の在り方について再検討へ


政府は2016.3.25、第6回一億総活躍国民会議を開催。
この席で、安倍総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。

「第一に、長時間労働の是正であります。長時間労働は、仕事と子育てなどの家庭生活の両立を困難にし、少子化の原因や女性の活躍を阻む原因となっています。戦後の高度経済成長期以来浸透してきた『睡眠時間が少ないことを自慢し、超多忙なことが生産的だ』といった価値観でありますが、これは段々ですが、そうでもない、生産性もないという雰囲気が、この3年間で大分変わり始めているのではないかと思います。私はまだ若いサラリーマンの頃、こういう価値観があって、8時くらいに帰ろうとするともう帰るの、という雰囲気があったわけですが、企業側に聞いたところ、政府が全体の労働時間の抑制や働き方を変えていくことについて、旗振り役を期待しているかということについて期待している人が90%ということは、皆帰るのだったら帰りたいということに変わり始めている。やっとそういう雰囲気に変わり始めたので、ここは、正に我々が更に背中を押していくことが大切であろうと思います。
 まず、法規制の執行を早急に強化をします。時間外労働を労使で合意する、いわゆる36協定において、健康確保に望ましくない長い労働時間を設定した事業者に対しては、指導強化を図ります。また、関係省庁が連携して、下請などの取引条件にも踏み込んで長時間労働を是正する仕組みを作ります。これらの執行強化について、厚生労働大臣におかれては、経済産業大臣、加藤大臣の協力の下、具体策を早急に取りまとめ、直ちに実行に移していただくよう、お願いをいたします。
 労働基準法の改正につきまして、多様な議論がありました。これについては、現在提出中の労働基準法改正法案に加えて、36協定における時間外労働規制の在り方について再検討を行うこととします
 第二に、

  (首相官邸Webサイト)
  http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201603/25ichioku.html



 [編注、コメント]

 監督指導の強化は、監督機関の陣容、それに割くことのできる主体的能力にもよるので、成果のほどは何とも言えないところだが、注目すべきは、
 ① 「残業が、生産性向上に寄与するとは限らない」(「サービス残業ならいざ知らず,ペイしなければならない残業は、生産性向上に寄与しない」、という当然の認識。)ことが認識される雰囲気になってきたこと。企業はこの潮目の変わりを読んでおかなけれはならないように思います
 ② もう一つは、長時間労働を抑制する方向での「法規制の再検討」です

 36協定の特別条項締結における上限規制だけを言っているのか、勤務インターバル制を含めた検討まで踏み込むのかわかりませんが、(この分野の懸案事項の一つだっただけに)、関心をもって検討過程を見守りたいと思います。

 しかし、経団連が「長時間労働は企業の生産性向上の阻害要因だ」との認識を有しているようなら、法規制強化も実現する可能性がありそうに思えます。





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勤務間インターバル制度 

勤務間インターバル制度

 2015.10.26付け日本経済新聞朝刊に次の記事が掲載されていた。

 記事タイトル=終業→始業、一定時間を空けて、休息確保、疲労の蓄積防ぐ、EUは法制化、日本も導入機運。
 記事本文

  「退社から翌日の出社まで一定時間を空ける「勤務間インターバル制度」を導入する企業が相次いでいる。」として、次のように、JTB首都圏の事例、及びKDDIの事例を取り上げて紹介している。以下、事例紹介の部分を転載致します。

JTB首都圏
「JTBグループのJTB首都圏(東京・品川)は4月、9時間の間隔を空ける制度を労使で合意、導入した。
 JTB首都圏では旅行予約など店頭で接客する社員が約8割を占める。土日や祝日も営業する店舗が多く、1日最短4時間、最長10時間の勤務の組み合わせで、シフト制のため始業時間は社員によってまちまち。社員から「始業時間が日によって異なり、生活のリズムがつかめない」といった声が上がっていた。
 JTB首都圏の柴田裕嘉ダイバーシティ推進課長は「自らも制度の対象である管理職は部下への監督の意味も込め、短時間で効率的に働こうとする意識を高めている」と話す。業務改善の効果もあり、8月の平均残業時間は前年に比べ約1時間減った。労組は今後、間隔を11時間に広げる要求も視野に入れる。会社側も店舗で接客する社員には適用可能とみている。」

KDDI
「KDDIは7月、管理職を除く社員1万人を対象に、退社から出社まで8時間以上空けるルールを就業規則に盛り込んだ。例えば午前2時まで勤務したら原則、10時まで始業は禁止。「1カ月の労働時間の総量だけでなく、規則的な休息も重視する」(人事部)ためだ。仕事の区切りを明確にして勤務を効率化する狙いもある。割増賃金が必要な残業も減らせる。
 制度の徹底を目指し、10月からは社員のパソコン画面に退社から出社までの時間表示を始めた。健康管理のため、管理職を含めた1万4千人を対象に安全衛生管理規定も導入。間隔が11時間未満だった日が月11日以上だった社員の勤務改善を促し、残業が目立つ部署には是正を勧告する。」」(2015.10.26日経朝刊)



 記事では、このほか、勤務間インターバル制について

 「睡眠などの休息時間を確保することで、疲労の蓄積を防ぐ狙いがある。欧州連合(EU)ではEU指令により、各国で浸透した。日本に法的な規制はないが、先行した企業で成果が上がれば広がる可能性がある。」
 と指摘する一方、労働安全衛生総合研究所の久保智英主任研究員は「インターバル制度は必要な休息時間を定めているため、疲労回復の効果を見込める」と話す。ただ「EU並みに11時間を空けても、『過労死ライン』といわれる1カ月80時間の残業が可能で、問題は残る」と指摘する。」と課題にも触れている。


 [編集、コメント]

 EU労働時間指令は、1993年制定(2000年に一部改正)は休息時間規制として「一日の休息時間を、勤務と勤務の間に最低限11時間確保すること」を求めている。
 24時間につき11時間の休息時間であるから、休憩時間を含めた1日の拘束時間の上限は、13時間ということになる。一日の勤務(拘束)時間の上限規制は、労働者の安全と健康の確保に極めて有効であると考えられている。



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「正規社員の女性」~「2000 年代に入ってから20歳代女性を筆頭に目立つ長時間労働」 

平成27年版 労働経済の分析

厚労省が2015.9.15公表した「平成27年版 労働経済の分析 -労働生産性と雇用・労働問題への対応- 」
表題は、同白書の分析の一部から
詳細は、下記URL参照
→ http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=214289

以下は白書の中から
「正規の職員・従業員に占める1週間の就業時間が60 時間以上である者」
についての分析の引用である。


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正規の職員・従業員に占める1週間の就業時間が60 時間以上である者の割合をみると、

男性では、1987 年に16.9%に達した後、1990 年代には12%を下回る水準まで低下したものの、2000 年代に入って再度上昇し、2007 年には18.5%に達した。2012 年は2007 年より低下したものの、依然高水準となっている。

女性では、1987 年に5.3%に達した後、1990 年代には3%台まで低下したが、2000 年代に入って大幅な上昇が続き、2007 年には7.8%に達した
2012 年は2007 年より僅かに低下したものの、高い水準が続いている。

年齢階級別でみると、男性では、長時間労働者の割合が高いのは30 歳台や20 歳台後半であるが、2002 年以降は40 歳台前半で、2007 年以降は40 歳台後半や50 歳台で、1987 年より長時間労働者の割合が相当程度上昇しており、中高年齢層の就業時間が長くなっている。

女性では、2000 年代に入ってから20 歳台で長時間労働者の割合が上昇しており、結婚・出産前の女性が多い年齢での就業時間が長くなっている。
正規女性社員の長時間労働
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( ↑ クリックすると拡大表示できます)

[編注、コメント]

正規職員・従業員の長時間労働問題が終息していない現実を、分析している。
特に女性にみる正規職員・従業員の長時間労働は、全体の上昇率が男性にも増して急激(大幅上昇)であり、中でも、20 歳台で長時間労働者の割合が上昇している様を鋭く分析している。




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