労働市場-自動化が可能な定型業務を担う中級技能職が空洞化[ILO分析] 

 資料出所 「ILO-雇用及び社会の見通しと動向」
 ILO駐日事務所
 → http://www.ilo.org/tokyo/information/pr/WCMS_338078/lang--ja/index.htm


1 不平等の拡大が続く中、向こう5年間も失業者数は増加の見込み
2 就業構造の変化

 労働市場で求められる技能が大きく変化する

 自動化が可能な定型業務を担う中級技能職が空洞化。こういった仕事に就いている人は、新たな技能を獲得しない限り、より低い技能レベルの仕事を求めて競い合うが起こるでしょう
 保健医療や対個人サービスのような対面での交流が求められる仕事に対する需要は伸び、大規模なケア経済誕生の兆しが見られる


 [編注、コメント]

 かねてより、指摘されていることですが、注意を要するのは、その「流れ=スピード」でしょう。
 緩やかであれば対応できる場合でも、「津波」のごときものだと心の備えすらできないままに流されてしまいそう、そのような危惧を抱く。



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イタリア労働改革法成立、業績悪化で解雇可能に  

 2012.6.28日本経済新聞夕刊にイタリア労働改革法が成立したとの記事が掲載されていた。
 要旨は次のとおり。

○ イタリア議会で2012.6.27、モンティ政権が提出していた労働市場改革法が可決・成立した。
○ 現行法では事実上、不可能だった業績悪化を理由とした解雇に道を開いた。
  ただ、裁判所の判断次第で復職を認める規定を入れたため、どこまで解雇のハードルが下がったかは不透明だ。
  モンティ政権は当初、企業が業績悪化など経済的な理由で正社員を解雇した場合、補償金の支払いで解決できるように法改正する方針だった。しかし、労働組合から強い抵抗を受け、法案に裁判所の判断による復職規定を加えた。

○ 一方、若年層の雇用の不安定さにつながっているとされる「見習い」を名目とした短期就労は制限。
  事実上の雇用関係にあるにもかかわらず、業務請負の形で契約して法規制を免れることも禁じた。
  女性を採用するに当たってあらかじめ辞表を提出させ、産休が長期化した際などに辞表を根拠に事実上、解雇する慣行にも規制をかけた。


 [編注,コメント]

 「整理解雇」は、法制面もさることながら、運用実態がどうかだから、、、
 如何にコメントすべきか難しい! 
 (日本では、整理解雇4要件などは大企業テーマであって、中小企業では整理解雇は「自由」に近い実態がある。)

 この記事に触れられている「見習い、業務請負、あらかじめの辞表」に規制をかけたというのは興味深いが、どういう法条項の言い回しになっているのだろう?



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Apple製品の中国工場の法令違反、米公正労働協会が報告(追加情報) 

(以下""内は、ITpro 2012年3月30日掲載記事から)

” Apple製品の製造を手がける中国工場の労働環境について調査していた米公正労働協会(FLA)は現地時間2012年3月29日、複数の生産施設で超過勤務や、賃金不足、安全衛生上の問題が多く見つかったと報告した。

 FLAは米Appleの依頼を受け、中国・富士康科技(Foxconn Technology)の工場における従業員の労働、生活環境について監査を実施していた。

 FLAによると、3万5500人の従業員を対象にした1カ月にわたる調査で、富士康科技の工場にはFLAの行動規範や中国の労働基準法に違反している事例が50件以上確認された。繁忙期には、FLAと中国の基準をともに大きく上回る週60時間超の労働があったり、1日の休みもなく7日以上連続して勤務していた事例もあった。

 また、超過勤務分の賃金が十分に支払われていない実態も明らかになった。富士康科技では残業代を30分刻みで記録しているため、例えば29分であれば残業代はゼロになり、58分であれば30分の残業代しか支払われない。こうした状況を改善するようFLAは富士康科技とAppleに指摘下線文しており、両社は今後公正な報酬を支払うこと、過去にさかのぼって不足分を支払うことなどに合意した。

 このほか、保護具が装備されていない、避難路が閉ざされている、けがや事故の際の連絡が徹底されていないといった安全上の問題も多数見つかった。富士康科技はこれらを是正することにも合意している。今後は、超過勤務を減らし、従業員の所得水準を保つため賃金を上げる。さらに雇用を増やして生産体制を維持する。福利厚生も見直すとFLAは報告している。

 富士康科技は、台湾の鴻海精密工業(Hon Hai Precision Industry)が傘下に抱えるEMS(電子製品製造受託サービス)大手で、Appleの最大のサプライヤー。iPhone、iPad、iPod、Mac(Macintosh)の組み立てを手がけている。2010年から2011年にかけて、若い工員の自殺が相次いだり、爆発事故で工員が死亡したりし、その労働環境や管理体制などをめぐって米国の人権擁護団体などが厳しく非難している。”


関連!!!

(以下””内は、共同通信2012年3月29日掲載記事から)

 富士康集団(フォックスコン)の3工場の調査結果から。

” 結果によると、3工場では過去1年の間で、中国労働法の週40時間労働に月36時間までの残業と、協会基準である残業も含めた週60時間労働をいずれも上回る場合があった。1週間で1日も休みを取れない例もあった。”


[編注,コメント]

うーむ、なお、評価は難しいな。(とくに「程度」の評価について)


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アップルiPadの中国生産拠点に/時間、賃金、安全面の違反行為=米公正労働協会が指摘! 

 [本情報は、2012年3月30日の日経速報ニュースによるものである]

 米アップルの携帯端末を生産するEMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手、台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の中国工場の労働環境について、米アップルの依頼を受けて調査に当たっていた米公正労働協会(FLA)が、このほど、長時間労働や賃金の未払い、安全面などに違法行為があったことを指摘する報告書を出した。

 [経緯]

” 鴻海の広東省深セン市の工場では10年に若い従業員が相次いで飛び降り自殺し、長時間労働などの厳しい環境が原因だと批判された。
  鴻海は基本給を大幅に引き上げたが、11年5月にはiPadを生産する四川省の工場で爆発事故が発生。内陸部の工場では沿海部より低い賃金などを不満としたストライキも絶えない。

  中国の尹蔚民・人事社会保障相は7日の記者会見で鴻海の労働環境について聞かれ、自らは名指しを避けながらも「一部の企業には時間外労働や従業員の低賃金、心の配慮が足りない問題などがある」と関心を持っていることを強調。違法行為には厳しい姿勢で臨む考えを示した。

 「従業員が中国本土で100万人もいれば問題が起きるのは避けられない」。
  同様に従業員対策に苦慮する日系メーカーからは同情の声も漏れるが、外資系で雇用規模も大きい鴻海は批判も浴びやすい。「劣悪な労働環境」のイメージから逃れるのは容易ではない。”(””内は2012.3.30日経速報ニュースから直接引用)


[編注,コメント]

 「劣悪な労働環境」!!!!!
 その実態はどうなのか。

 FLAが、長時間労働や賃金の未払い、安全面などに違法行為があったことを指摘したようだが、問題は、違反行為の中身だ。

 違反行為の内容・程度をオープンにしてほしい。
 そうすれば、客観的に、状況を理解することができるように思われる。



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イタリア「解雇容認に向けて法改正へ」(内閣が方針を固めた-日経記事) 

(以下は、2012.3.23日本経済新聞朝刊記事から)

”(前略)
 改正案は業績悪化などの経済的理由で企業が労働者を解雇できると明記する方向。

 こうした経済的理由であれば、解雇された労働者が裁判所に訴えても、企業は月給の15~27カ月分を補償金として支払うことで職場復帰させる義務を免除される。金銭で解決できるようになるわけだ。

 労働者が就業規則などの規律に違反した場合は、裁判所が規律違反の有無や程度を調べ、職場復帰の是非を最終判断する。
 信教や政治信条による差別や労働組合活動をしたことなどを理由に解雇したと判断された企業は、労働者を従来通りに職場復帰させなければならないとしている。
 
 現行法は、正当な理由なしに労働者を解雇した企業などに、職場復帰や補償金の支払いを義務付けているが「正当な理由」と判断する基準を明示していない。倒産などを除くと事実上、解雇は不可能で、余剰人員を抱えたくない国内企業が新規雇用を抑制しがちになるほか、外国企業がイタリアへの進出に二の足を踏む要因にもなっていた。

 労働法改正に合わせ、労働市場全体の改革にも着手する。目玉は失業保険制度の拡充だ。・・・(略)
 
 硬直的な労働市場のしわ寄せで31・1%に達している若年層の失業率を改善するため若年層の正規雇用増も図る。具体策として、期間限定の雇用契約を36カ月続ければ正規雇用に替わるという措置を導入。共働き夫婦を支援するため、企業に男性の育児休暇制度の創設を義務付け、試用期間も企業が年金保険料を負担することなども定める。

イタリア労働法改正案のポイント

○ 企業の業績悪化など経済的理由での解雇が可能に
○ 失業保険制度で給付の期間や金額を統一
○ 企業に男性の育児休暇制度の創設義務付け
○ 試用期間中の年金保険料は企業が負担


[編注,コメント]

”解雇容認して=競争力をつける”
 解雇法制と競争力が、それほど、単純に直結したものとも思えないが、、さて?
 この種の法制度は、表面上の制度より運用実態がどうかということがが大きい。イタリアは、日本の比ではないほど「中小企業」が主体の国だといわれるが、どのほうな影響がでるのか?
 その前に、イタリアでこの種の法改正が成立するのか、いろんな意味で”要注目”だ。



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